沼津校では毎週のように特別授業を行っています。今回は、青少年向けの小説
『キノの旅』を使って先日行われた授業についてご紹介します。
『キノの旅』は、旅人のキノが、しゃべるバイクと共に不思議な国へと訪れるという
短編集です。授業で扱った話を挙げますと、
◇12歳になったら、辛い仕事も出来る大人になる手術を受けさせられる「大人の国」
◇延々と終わりのない仕事を続けさせられる「レールの上の三人の男」
◇仕事は機械に任せ、人間はストレスを受けに作業する「仕事をしなくていい国」
◇政治も処刑も何でも多数決で決める「多数決の国」
という、どれもこれも常識では考えられないユニークな話です。私は生徒達がこれらの
物語に対して、どう受け止めて一体どんな考えを持つのか非常に興味を持ちました。
実際に感想文を書いてもらい、それを読んでみると、個々それぞれが異なった視点で
学びを深めていることがわかります。大人に近付いていき、そして進路について考え
仕事との向き合い方を意識し始めた高校生にとって、たとえフィクションの世界でも授業
から発見できるものが多くあります。
教科書での学習だけでなく、様々な形で人間力を磨く場として、これからも特別授業
では多岐にわたる学びのチャンスを提供していきます。それらを、自己を支え飛躍する
ための力にして、未来を創ってほしいと思います。