特別支援教育

3年後の自立を目指す

当校では、軽度の発達障害知的障害を持つ生徒の受け入れを行っています。「人間力」を育て、高校卒業後の「自立」を目指します。特に苦手とする人が多い、コミュニケーション力や協調性等を養う授業を取り入れています。受け入れ基準は校舎により違いはありますが、おおむね次の通りです。

各校舎の定員(静岡・沼津15人、函南6人)の中で学校生活が送れること。

※学力についての統一的な基準はありません。個別にお問い合わせください。

集団の中での高校生活

高校卒業後は、集団の中で生活を送ることになります。そのため、当校でも、クラスの中で高校生活を送りながら、社会性を養い、自立するための力を身に付けています。各校舎とも少人数のため、一人ひとりの特性に合わせた成長計画を作り、それぞれに合った目標に向けて、一歩ずつ確実に進んでいくことが出来ます。

キャリア教育とSST・代償スキルトレーニング

特にキャリアアップコースでは、キャリア教育を授業の中に取り入れています。また、キャリア教育の準備段階として、SST(ソーシャルスキルトレーニング)や代償スキルトレーニングのカリキュラムも用意しており、必要に応じて行うことがあります。当校のSSTは、「自分を伝える」「相手を理解する」「みんなと行動する」の3つを柱にし、さらに代償スキルトレーニングで苦手を補う工夫を学びます。

SST挨拶や報告・連絡・相談など、対人関係の基礎となるスキルを、ロールプレイングによる反復練習を通じて身につけ、社会生活を送るための「自分の力」を育みます。
代償スキルトレーニング自分の苦手な部分を、メモやツールなどの道具や、自分の得意な力によって賢くカバーする技術を学び、自力で課題を解決できる力を養います。
キャリア教育SSTで培った基礎の上に、自己理解やチームワーク、将来設計などの高度な力を積み上げ、高校卒業後に向けた実践力を3年間かけて育みます。
SSTカリキュラム(抜粋)

単元名内容
感情の「ことば」自分の感情の状態(喜怒哀楽)を、具体的な言葉で表現する練習をする。
「はい」と「いいえ(断り方)」相手の誘いや依頼に対して、自分の意思を適切に(肯定・否定)伝える方法を学ぶ。
「手伝ってください(SOS)」困った時に、一人で抱え込まず、他者にSOSを発信するスキルを学ぶ。
「ありがとう」と「ごめんなさい」人間関係の基本となる、感謝と謝罪の言葉を適切なタイミングで言えるようになる。
「ワガママ」と「意見」はどう違う?自分の要求が「一方的なワガママ」なのか、「理由のある意見」なのかを区別する。
「傾聴(けいちょう)」の基本相手が「話を聞いてもらえた」と感じるような、基本的な聞き方(傾聴)のスキルを学ぶ。
「表情」から気持ちを想像する表情が伝える情報を読み取り、相手の感情を推測する練習をする。
人との「距離感」相手との関係性によって、適切な言葉遣いや物理的な距離が異なることを理解する。
会話の「キャッチボール」一方的に話す(ドッジボール)のではなく、相手と交互に会話(キャッチボール)を続ける感覚を学ぶ。
「空気を読む」とは?状況や相手の様子から、今すべきこと(すべきでないこと)を判断する練習をする。
「TPO」を考えよう「時(Time)」「場所(Place)」「場合(Occasion)」によって、ふさわしい行動が違うことを理解する。
グループで「話し合う」練習複数人で一つのことを決める時、自分の意見を言い、相手の意見を聞く練習をする。

支援級出身生徒の進路先一覧

進学から就職まで対応しています。就職については、一般就職はもちろん、手帳(療育手帳、精神障害者福祉手帳)を使った就職、就労移行支援事業所への入所(福祉的就労)など、幅広い選択肢があります。

過去2年間の進路先

神奈川工科大学、静岡産業大学、自由が丘産能短大、ヒューマンアカデミー、中央メカニック自動車大学校、沼津情報ビジネス専門学校、静岡県立工科短期大学校、大原公務員医療観光専門学校、川口調理師専門学校、あしたか職業訓練校、GKB株式会社、株式会社ENEOSウイング、就労移行支援事業所SES など

校舎による違い

静岡校、沼津校、函南校は、同じ学校のため、教育の土台は同じです。教育理念、教育目標、教育課程は全て同一となります。一方で、在籍している生徒に合わせ、各校舎で細かな教育手法を変えています。特に、静岡・沼津校と函南校とでは、「人間力」「自立」に向けたアプローチが大きく異なります。沼津校と函南校の両方に通学できる生徒は、是非、両校舎を比較してみてください。

静岡校・沼津校

定員15人のうち、3人~4人程度が支援級や通級で指導を受けた生徒です。通常級出身の生徒が大半のため、教育のベースは通常級にあります。そのため、人間関係構築には困難さを抱えていない生徒(または、大きな支障がない生徒)、今は支援級に在籍していても、今後は通常級に近い環境で成長を目指したい生徒には適しています。通常級に近い環境とは言え、全日制高校と比べると少人数です。教員の目が行き届きやすく、アットホームな雰囲気が形成されています。必要に応じて、SSTなども行います。

函南校

定員6人のうち、ほぼ全てが支援級や通級で指導を受けた生徒です。静岡校・沼津校と比べると、支援級に近い雰囲気の中で学校生活を送ることが出来ます。引き続き、支援級のような環境下で成長を目指したい生徒には適しています。年数回、沼津校と合同行事や合同授業を実施し、慣れていない環境に対応できる力も養います。

よくある質問

学校生活の様子を見学できますか?

授業時間中(平日の昼間)にお越しいただければ見学できます。

個別相談や見学は1回ですか?

何回でもお越し下さい。

1年生、2年生でも見学は可能ですか?

可能です。お気軽にご連絡ください。

中等度の知的障害です。受け入れは可能ですか?

一律にお断りすることはありません。しかし、中等度の知的障害ですと、授業に後れを取る可能性が高いです。単位修得に困難が生じる可能性も有りますので、慎重に検討してください。また、個別相談後、出願をお断りすることもあります。

集団に入ることが出来ません。受け入れは可能ですか?

クラスの中に入れない生徒は、学校生活を送ることが困難のため、受け入れは出来ません。ただし、「慣れ」の問題であれば、入学前に慣れるまで何回でも見学にお越し頂き、十分に慣れた上で入学の日を迎えることも出来ます。

通学可能な範囲は?

特に規定はありません。生徒本人が通学可能と思えば、居住地は問いません。

電車通学が不安です。

慣れましょう。入学前に繰り返し練習する生徒もいます。

入学にあたり、手帳は必須ですか?

手帳(療育手帳、精神障害者福祉手帳)は不要です。入学の条件ではありません。ただし、持っていれば、高校卒業後の進路選択の幅は広がります。

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